インナーマッスル

 インナーマッスルとはアウターマッスルに対して言われる主に体幹の固定を行う筋のことです。

 

 腹部周囲のインナーマッスルとして腹横筋、多裂筋、横隔膜、骨盤底筋群があります。

 これらは持続的な収縮を求められます。腰椎の周囲を取り囲むように存在し、風船のように腹圧をかけ、安定性を得ることができます。また、腹横筋は胸腰腱膜を引っ張ているため、胸腰背部の安定性にも寄与しています。

 

 インナーマッスルが弱いとアウターマッスルである脊柱起立筋や関節に負担がかかり、腰痛を引き起こしてしまいます。そのため、インナーマッスルのトレーニングは腰痛予防に効果的です。

 

 インナーマッスルのトレーニングとしてドローイン、ダイアゴナルがあります。

【ドローイン】

 仰向けでおなかと背中をくっつけるようなイメージでお腹の周囲をしぼめていきます。最も基本的で、力が入っているかはお腹を横から触り、筋肉が硬くなっているか確認することで一人でも可能です。注意点として「息を止めお腹を膨らませない」ことです。患者さんにやっていただく中でよくみられるのが、腹圧を上げようと息を止め胸郭を膨らませることです。一見できてる風ですが、全然腹横筋の収縮は得られません。仰向けでできたら、座っているときや立っているとき、歩いているときにドローインを意識することで、日常でも効果的にトレーニングが可能です。

【ダイアゴナル】

 四つ這いで左右対称の上肢・下肢を挙上することで多裂筋、腹横筋を鍛えることができます。注意点として、「腰をそらしすぎない、ドローインを意識する」ことがあります。腰をそらしすぎると、アウターマッスルである脊柱起立筋群の代償が入り、インナーマッスルのトレーニングの効率が落ちてしまいます。